新型コロナウィルス

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「胎児生命科学センター」代表の鈴森と申します。不定期の更新ではありますが、おつきあいお願い申し上げます。

 時代は平成から令和へと移り変わり、「胎児生命科学センター」も本年で十五周年を迎えることになりました。今年も旧年のように強い思いで、みなさまの幸せに一歩でも近づけるようにと、新たな緊張感が体の中から湧いて参ります。

 2003年、ヒトゲノム計画が完了し遺伝の病気の本体を遺伝子レベルで解明できるようになりました。この発展を背景に、お腹のなかの赤ちゃんの遺伝に関連した病気も、染色体から遺伝子のレベルで解析することができるようになりました。

 現在、国中で問題になっているのは昨年末に中国の武漢で発生した新型コロナウィルス感染症でしょう。報道では横浜に停留中の豪華クルーズ船での感染者の急増が注目を集めています。その中には、3,700人を超える乗員乗船全員についてウィルス感染の検査を行う必要性を指摘する声も多くみられ、検査の実施が遅いという怒りの声も多く聴かれます。ウィルス感染検査には「PCR法」がTVやマスコミに取り上げられています。「PCR法」って何でしょう。ウィルスとは自己をどんどん複製させる、極微小な感染性の構造体のことで、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸(DNAあるいはRNA)からできている生命の最小単位のことです。ウィルスゲノム核酸の検出には病気に特異的なゲノム核酸配列を適当なサイズに切って鋳型にPCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクッション)法を用いて短時間で100万倍にも増やしたPCR産物で陽性、陰性を判定します。感染に密接に関連したゲノム核酸領域を決定するのは大変ですし、その領域を効果的に切り出す酵素を決めて簡易検査キット化し全国に普及させるにはまだ時間が掛かるのでしょう。検査機関により検出率に差がでたりするのもこんな理由があるのではないでしょうか。

 私たちが心配しているのは新型コロナウィルスの母児感染です。最近、9例の新型コロナウィルス感染妊婦さんの出産例が報告されています。それによれば直接的な垂直感染はなかったとのことですが、罹患したのが妊娠末期ですから、問題となる妊娠初期の感染の影響は判っていません。TVなどで報道されているように、マスク・手洗い・うがいなど励行し感染に十分に気をつけてください。